Business Contract
業務委託契約書の印紙税
業務委託契約書に貼る収入印紙の金額を計算します。請負か準委任かで税額が大きく変わるため、判定ガイドも掲載。
印紙税額を計算
業務委託契約書の印紙税について
業務委託契約書は、契約内容によって課税・非課税・税額が大きく変わる文書です。同じ「業務委託契約書」というタイトルでも、中身が請負か準委任か、また個別契約か基本契約かで判定が分かれます。
業務委託契約の3つの判定パターン
パターン1: 請負契約 → 第2号文書(金額に応じて課税)
成果物の完成・納品を約束する業務委託は請負契約に該当し、第2号文書として課税されます。契約金額に応じて200円〜600,000円の階段。
- 例: ソフトウェア開発受託契約(特定の機能を持つシステムを完成・納品)
- 例: Webサイト制作受託契約(指定のサイトを納品)
- 例: 動画・記事の制作受託契約(完成物を納品)
- 例: 翻訳業務委託契約(翻訳済みドキュメントを納品)
パターン2: 準委任契約 → 非課税
特定の業務の遂行を約束するが、成果物の完成は約束しない業務委託は準委任契約に該当し、印紙税は非課税です。
- 例: コンサルティング契約(アドバイス・支援が目的、成果物保証なし)
- 例: 顧問契約(継続的な助言・相談)
- 例: 月額のシステム保守契約(不具合対応・運用支援、成果物保証なし)
- 例: SES契約(エンジニアの労務提供、成果物保証なし)
パターン3: 第7号文書(継続的取引の基本契約書)に該当する場合のみ一律4,000円
「基本契約 + 個別契約」の二段構造で運用するすべての契約書が第7号になるわけではありません。印紙税法施行令 第26条が定める厳格な要件をすべて満たす場合に限り、第7号文書として一律4,000円となります。「業務委託基本契約書」というタイトルだけでは判定できず、契約書の具体的な文言と取引内容を個別に検討する必要があります。
第7号文書の主な要件(施行令 第26条 第1号、最も該当事例の多い類型):
- 取引内容が売買・売買委託・運送・運送取扱・請負のいずれかに関する 2以上の取引 を継続的に行うための契約書であること(コンサルティング・SES・準委任型の役務提供などはこの類型に該当しません)
- 契約書に目的物の種類が定められ、かつ取扱数量・単価・対価の支払方法・債務不履行時の損害賠償方法・再販売価格 のいずれかも定めていること
- 契約期間が3ヶ月超、または更新規定あり(3ヶ月以内かつ更新規定なしの契約は非該当)
- 営業者間で作成されること
第7号の典型例(要件をすべて満たす前提):
- 販売代理店契約書(売買の継続取引、目的物・単価・支払方法を定める、契約期間1年)
- 運送基本契約書(運送の継続取引、運送物の種類・運賃・支払方法を定める)
- 商品供給基本契約書(売買の継続取引、目的物の種類・取扱数量を定める)
第7号にならない例:
- 準委任の継続契約(コンサルティング顧問契約・SES契約など、施行令第26条が定める取引類型に該当しない)→ 多くの場合非課税
- 3ヶ月以内かつ更新規定のない短期契約 → 個別契約として判定
- 個人間の契約(営業者間でない) → 多くの場合非課税
- 取引内容が抽象的で目的物の種類等が特定されていない契約書 → 個別契約として判定
判定の目安
以下はあくまで目安で、最終的な所属決定は契約書の具体的な文言と取引内容に強く依存します。「業務委託基本契約書」のように内容が多様な契約書は、目安での自己判定ではなく税理士・税務署への事前確認を強くおすすめします。
- 営業者間で、施行令第26条の要件をすべて満たす継続取引の基本契約か?
- 明確に満たす → 第7号文書(一律4,000円)の可能性。要件適合性を税理士に確認推奨
- 満たさない・不明 → 次へ
- 成果物の完成・納品を約束しているか?
- はい → 第2号文書(請負・金額に応じて課税)
- いいえ → 準委任契約(非課税)の可能性
よくある質問
タイトルが「業務委託契約書」でも判定は内容次第?
はい、タイトルではなく内容で判定します。「コンサルティング契約書」というタイトルでも、成果物の納品が約束されていれば請負として課税されます。逆に「業務委託契約書」でも純粋な準委任なら非課税。
月額固定の業務委託は?
契約期間 3ヶ月超(または更新規定あり)かつ営業者間で、施行令第26条が定める類型(請負など)に該当し、目的物の種類等の基本事項を定めているなら、第7号文書(一律4,000円)になる可能性があります。コンサルティングのような準委任色が強い契約は、施行令の類型に該当せず非課税扱いになることが多いです。具体的判定は契約書の文言次第なので、税理士にご確認ください。
システム開発の業務委託(要件定義・設計・実装・運用)は?
契約形態によって判定が分かれます。実装フェーズ(成果物=動くシステム)の請負契約は第2号文書、運用フェーズ(成果物保証なしのSES・準委任)は非課税が一般的です。
ただし1つの契約書に複数の性質が混在する場合(例: 設計請負+運用支援を1通にまとめる)、印紙税法通則3による所属決定ルールが適用されます。これは「金額の大小」ではなく、文書の記載内容と該当する号同士の優先順位で決まります(例: 第2号と第7号の両方に該当し契約金額の記載があれば第2号、ない場合は第7号)。混合契約は判定を誤りやすいため、契約書ごとに税理士・税務署に確認することを強くおすすめします。
電子契約なら?
非課税です。SaaSや受託開発で多用される業務委託契約こそ、電子契約への移行効果が大きい領域。年間で数万円〜数十万円のコスト削減になります。
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